神奈川県藤沢市
2008年3月設置 御自宅 9.45kwシステム環境保全効果2840坪分（以下同）
2008年6月設置 若ご夫婦ご自宅 4.2kwシステム（1260坪分）
2011年12月設置 アパート 9.67kwシステム（2900坪分）
2012年1月設置 旧直売所 4.3ｋｗシステム（1290坪分）
2012年2月設置 アパート 9.89kwシステム（2970坪分）
2012年4月設置 アパート 9.786kwシステム（2956坪分）
2012年9月設置 野立て 50kwシステム（15000坪分）
2013年3月設置 アパート 29.52kwシステム（8856坪分）
2013年7月設置 アパート 1.63kwシステム（増設）（489坪分）
2013年11月設置 アパート 12kwシステム（3600坪分）
天然酵母のパン・手作りジャムの販売
今回のエコステーションの方は、2008年に取材をさせていただいた井上様のお母様です。
以前お伺いした時は、若ご夫婦から経営している果樹園のことや、低農薬の果物・野菜作り、また土づくりのこと等をお聞きすることができました。今回はその果樹園で収穫した新鮮な果物を利用してジャムやシロップ漬けにしたもの、天然酵母の手作りパンなどを、直売所で販売していらっしゃる加工品開発担当のお母様を取材させていただきました。
ご家族で『ふるうつらんど井上』を切り盛りしていらっしゃる、お忙しい中での取材でした。
「先代は、モモやプラム等単品を扱っていましたが、どうせやるならと今ではブドウ、ナシ、ウメやクリ、リンゴ、イチジク、キウイ、アンズ等ほとんどの果物を作っています。また、お野菜は近所の方や地方の特約農家の方たちが、低農薬で作ったものを全て生産者の名前を付けて販売しております。私はその果物や野菜を利用して、ジャムを作ったりパンを焼いたりしております。」
「結婚したころから先代は、私にもきちんとお給料、年2回のボーナスを出してくれました。
昭和30年代のころで、当時の農家では珍しいと思います。果物の直売を始めたり、家族の賃金を月給制にするなど先見の明がある人でしたね。自分で自由に使いなさい、主人もどんどん外へ出ていきなさい、と勧めてくれる人だったので、いろいろな活動ができました。若夫婦が通った東京農業大学の先生には親子共々お世話になっております。
先生は、農家で頑張っている人を応援したいというお気持ちがあり、店の名前を付けてくださったり、大学の収穫祭やイベント、勉強会などがあるたびに誘ってくださるんですよ。
そういったところに参加すると、色々な方とお知り合いになり未だに仲よくお付き合いをさせていただいています。だから私は『出会い』という言葉が大好きですね。」
「パンを販売するようになったきっかけは、数日間常温で置いてもカビが生えない添加物が入ったパンを、家族に食べさせたくないという思いがまずありました。
そして、おいしく、体にいい本物のパン、ここでしかない物を家族だけでなく他の方にもお出ししたいと思うようになったんです。売るからにはきちんとしたものをお出ししたいという思いがあり、試行錯誤でやってきました。種類も今では20種類くらいになりました。できるだけ季節感を大切にしたいので、季節によって中身を替えたりします。」販売を始めてから十数年経っているとのことですが、最初からイースト菌は使わず、天然酵母のパンにこだわったそうです。「天然酵母のパンは手に取ったとき普通のパンと比べて重みがあります。きめの細かい生地で、国内産小麦の粉本来の美味しさを味わうことができるんですよ。天然酵母でもいろいろ種類があり、私は『白神酵母』を使っています。うちで採れた果物や野菜を入れたり、水は電気分解水を使ったりとこだわっています。よそでは売っていないうちだけの特徴を出したいと思っており、日々勉強の毎日ですね。」
焼きあがったパンをいただきましたが、スーパーで売っているフカフカのパンとは違い、重みもありきめの細かい生地で、食べると生地自体にヨモギの味やカボチャの味、ジャガイモ等噛むほどに素材の旨味と愛情が感じられました。また、ユズやリンゴ、珍しい冬瓜のジャムなども出してくださり、試食させていただきました。素材の香りや味がしっかりと味わえますし、なめらかで美味しいジャムでした。何より添加物が入っていないことが、安心だと思います。「6人いる孫たちやお客様からおいしい！と言ってもらえるとうれしいです。励みになりますし、採算は二の次です。食の大切さを発信していくのが、私の役目だと思っています。
大地からの恵みをもらって本物の味を追求すること、どのように食べ物を作り、大事な生命を維持していくのか、女性の立場から、農業の現場から情報発信していけたらと思っています。」数年前に井上様は『手づくりジャム・ジュース・デザート』という本を出版していらっしゃいます。ご自分の技術をできるだけたくさんの方に伝えたいという思いで、アドバイスまで入れた本です。
また過去には忙しい中、民生委員を6年間務め上げた経験もあるそうです。現在は神奈川認証のふるさと生活技術指導師を引き受けており、ジャム作りの講義と実習をされていらっしゃいます。「以前『田舎のヒロインわくわくネットワーク全国集会』に、パネラーとして参加したことがあります。これは、農業に携わっている女性や農業・食べ物に関心のある女性たちを中心としたネットワークで、全国から様々な方たちが集まりました。
参加する女性たちは、活気のある方たちばかりで、とても刺激になりました。こういったことに参加しなかったら今の自分はないと思います。
これからも無理をせず、外に出ていきたいですね。」
作ることが好き、体を動かすことが好きとおっしゃる井上様は本当にパワフルな方だなと思います。
常に前向きな井上様は、「大変なこともいろいろありましたが、いい思い出しかないですね。」とおっしゃった笑顔がとても素敵でした。
太陽光発電に関しては、「環境のことを考えるともっと増えていくといいですね。将来の子供たちの事を考えると食育だけではなく、環境もとても大事な事だと思います。」とおっしゃっていただきました。
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